2020年10月25日

『学問の自由』の危機!? 日本学術会議vsスガ政権!!

7年8ヶ月つづいた安倍政権がおわり、『令和おじさん』こと菅義偉さんが総理大臣になってからはじめておこった大問題、「日本学術会議任命拒否問題」についての記事です。

 

 

日本学術会議とは

「学者の国会」ともよばれる全国の約87万人の科学者の代表機関です。学者の代表として海外の学者とのつながりを作ったり、政権に対して学者としての立場からアドバイスしたりする組織です。

会員は、すぐれた業績のある研究者の中から会議が候補者を推薦し、首相が任命します。

学術会議の会員の定数は210人。任期は6年で、3年ごとに半数が入れかわります。

「国会」とは言いますが、選挙でメンバーを選んでいるわけではなく、任期は6年で、会議の推薦に基づき首相が3年ごとに半数を任命する仕組みとなっています。予算は国から年間10億円もらっています。会員は210人です。

※予算は交通費や学術会議の事務局約50人(運営の人たち)の人件費にもかかるので、210人が10億円を分け合って儲けているわけではありません。

 

 

話の流れ

10月1日に学術会議メンバーの半分を入れ替えるために学術会議が選んだ105人のリストを政府に送ったところ、政府から任命リストが返ってきました。

任命リストは99人の名前が書いてあり、6人が政府の意向で落とされていました。

 

落とされた6人

  • 小沢隆一、東京慈恵会医科大学(憲法学)
  • 岡田正則、早稲田大学(行政法学)
  • 松宮孝明、立命館大学(刑事法学)
  • 加藤陽子、東京大学(歴史学)
  • 芦名定道、京都大学(キリスト教学)
  • 宇野重規、東京大学(政治学)

 

落とした理由について学術会議側が確認したところ、「人事上の問題で、理由は回答できない」と政府側は回答しました。

 

このことに対して学術会議のメンバーが「学問の自由が侵害されている」と怒り、共産党や立憲民主党、マスコミが大きく伝えたという流れになります。

 

 

6人が落とされた理由についての推測

 

政府は「人事上の問題で、理由は回答できない」と答えているのでホントのところはわかりませんが、左の人と右の人でそれぞれ主張がちがいます。

 

左の人の多くは、今回落とされた6人は政府に反対する意見を持っていて、政府にとって不都合なので落とされたという見方をしています。

6人全員が沖縄の米軍基地の建設や憲法の改正、特定秘密保護法に反対していたからです。

つまりこの人たちの見方だと、独裁スガ政権が専門家である学者のアドバイスを聞きたくないから、6人を落とすことで学術会議にどっちが上か見せつけてきたわけです。権力の暴走です。

しかし今回任命された99人のメンバーの中にも政府に反対の人は多いので、なぜその6人なのかの説明にはなりません。

 

右の人の多くは、今回落とされた人は外国勢力と繋がっていたり、共産主義の団体との繋がりがあるから敬遠されたのではないかという見方をしています。

この人たちの見方だと、サヨクの溜まり場(学会)で選ばれし210人の上級国民さまたちの悪い組織が国の税金を使って反日活動するのに、菅政権が断固として「N O!!」を突きつけたということになります。

しかし決定的な証拠はありません。

 

 

首相に『任命しない権限』はあったのか?

一見すると学術会議は税金で運営される組織であるし、総理大臣に『任命』されるので、総理の権限で拒否できそうなものです。しかし学術会議の言い分ではちがいます。

その根拠は1983年に、学術会議のメンバー選びが学者の間での選挙から、学会からの推薦という現在の形に変わったとき、国会で中曽根総理大臣が、

 

「学問の自由ということは憲法でも保障しておるところでございまして、特に日本学術会議法にはそういう独立性を保障しておる条文もあるわけでございまして、そういう点については今後政府も特に留意してまいるつもりでございます」

 

と発言しているところにあります。

「むかし総理大臣がそう言ったのだから、我々は独立している。学会で決定したのだから推薦されたら受け入れるべきだ」というわけです。みなさんはどう考えますか?

 

学術会議のしてきた政府へのアドバイスへの疑問

では学術会議はどのようなアドバイスをしてきたのでしょうか。

学術会議は2011年から2020年までで277件の『提言(アドバイス)』をしてきています。

最近でいえばコンビニのレジ袋の有料化があります。環境問題を学者の視点から考えた上での提言です。しかし結局ゴミ袋を買う事や、レジ袋を止めることの全体に対する規模の小ささなどが指摘されていて、あまり環境負荷の改善に効果的でないと評判は良くないようです。

 

次に岩手県に建設誘致を予定していた国際リニアコライダーという物理学の実験のための施設建設にストップを掛けました。

理由は、大雑把に言うと、もっと他の学者にも公平に科学研究費を分配してほしいというものでした。

世界初の大型施設で、完成すれば世界でただ一つ、ビッグバンの謎に迫れる場所になって世界中から優秀な学者が集まって岩手に研究年都市ができるチャンスなのですが、反対されています。このままでは次の候補地である中国にとられてしまいます。

 

その他にも2011年「東日本大震災への第三次緊急提言」で、復興財源として国債発行(将来返す約束をして国民からお金を借りる)することにダメ出しをして、経済学のセオリーから考えてもよろしくない『大災害時の増税』をおすすめしたりもしました。

 

そして今回の問題で学術会議に注目が集まって明らかになったのですが、2016年に北海道大学で防衛省の補助金制度に応募して研究しようとしていた『微細な泡で船底を覆い船の航行の抵抗を減らす研究』“軍事研究”だと批判して研究辞退に追いこむなど、学術会議自身が『学問の自由』にたいする圧力団体になっている例もあります(出典: 民間シンクタンク「国家基本問題研究所」)。

 

 

国語教師になっている学術会議

学術会議は1950年に

「戦争を目的とする科学の研究は絶対にこれを行わない」

と言っていて、ずっとそのスタンスを崩していません。第二次世界大戦で科学者が国に無理に協力させられた反省から、日本の科学者には日本の軍事研究をさせるべきではないという方針のようです。

 

しかし北海道大学の研究のケースでは、『船の底に泡をつけて船のすべりを良くする研究』なわけですから、防衛省から研究費をもらう以外はみんなの役に立つ研究だと言えます。

そもそも学者が軍事研究に協力したら軍事独裁政権が生まれるのでしょうか?

 

世界中の軍事研究をしている国が、すべて軍事独裁政権になっているわけではありません。

『軍事研究の否定=平和』というのは『目をつぶって怖いことを考えなければ怖いことは起こらない』というようなものです。

 

学者の科学に対する姿勢について、こんな言葉があります。

この言語学者のように科学者として研究に色をつけずにやってほしいです。

 

さていかがでしたでしょうか? 以上が日本学術会議についての記事になります。

この記事は少しアンチ学術会議な視点で書かれています。

わかりやすくするために省略したり簡単にまとめてしまったりしているところもあります。

みなさんもこの記事の結論に国語教師のように反応するのではなくて、言語学者のようにフェアな視点からおもしろがって、この問題について調べてくれることを期待します。

右よりの記事菅政権の記事