2020年10月26日

今年のノーベル賞をとった人を知ってる!? テレビが言えない『電波オークション』について

日本ではさいきん菅政権と日本学術会議のあいだで『学問の自由』についてのいざこざがあったりしましたよね。

ほかにも少子化であたらしく大学生になる人が減ってしまって大学の経営があぶないとか、そもそも大学の数が多すぎるとか、日本は教育の分野でも多くの課題をかかえています。

『学問の自由』の危機!? 日本学術会議vsスガ政権!!

そのなかでも国から研究のために各大学の研究室にくばられる科学研究費が毎年少なくなってきている問題は深刻です。

研究にかけられるオカネがなければやりたい研究もできないし、必要な機材も買えません。

そのせいでこれまで毎年のようにとれていたノーベル賞を今年は日本人は誰ももらえませんでした。

そのせいかまったくテレビのニュースになりませんでしたよね。

報道されたのは

 

『作家の村上春樹さんが、今年もノーベル賞を逃しました!』

 

というニュースくらいでした。

でも日本人じゃなくても、誰がどんな研究でノーベル賞をもらったかくらいはニュースにしててほしかったですよね? 毎年それくらいはやっていたのに…

 

でも、じつは、ニュースにできないのには理由があるのです。テレビ局はみんなに隠しておきたいんです。知られると都合が悪いんです。その理由が『電波オークション』という言葉にあります。

 

今年のノーベル経済学賞を受賞したアメリカのスタンフォード大学のポール・ミルグロムさんとロバート・ウィルソンさんの受賞理由がこの『電波オークション』でした。

 

 

『電波オークション』ってなに?

みなさんは携帯電話やラジオやテレビが飛ばしている電波って、誰のものだと思いますか?

じつは日本で使われている電波を飛ばす権利は、わたしたち国民のものなんです。

映画などで相手の無線を邪魔するときに妨害電波を飛ばすように、電波同士は影響し合うので、誰かがぶつからないように管理しないといけません。その管理をしているのが政府です。

電波はわたしたちの住んでいる空間を飛んでいるものなので、わたしたちの代表である国から許可をもらってテレビやラジオや通信事業者は電波を飛ばしているんです。

 

たくさんの人が参加するオークションで、1番いい値段をつけた人に『電波を飛ばす権利』を2年とか4年とか期限を決めて貸し出す仕組みがこの『電波オークション』です。

 

ポールさんとロバートさんは

「電波の周波数の割り当てなど、従来の方法では売ることが難しかったモノやサービスに使われる新たなオークションの制度設計を行い、世界中の納税者などの利益(1300兆円くらい)につながった」(スウェーデン王立科学アカデミー)

という功績でノーベル賞を受賞しました。

 

この電波オークションはインド、タイ、台湾、パキスタン、韓国、バングラディッシュなどでも行われていて、日本周辺で電波オークションをしていないのはモンゴル、北朝鮮、中国など政治的に不自由な国ばかりです。先進国では日本だけが電波オークションを導入していません。そして現在テレビ局が国に払っている電波使用料は他の国の10分の1くらいだと言われています。とても安いです。

 

 

電波オークションを導入するとテレビドラマが面白くなるかも??

電波オークションを導入するとテレビドラマがもっと面白くなるかもしれません。その理由は芸能業界の構造にあります。

番組の著作権がどこにあるのか

現在日本のテレビ番組の著作権はテレビ局にあります。

そう聞くと当たり前に感じるかもしれませんが、たとえばアメリカでは製作会社にあります。もしその番組がヒットしたらその分その番組を作った会社にオカネがたくさん入る仕組みになっています。

しかし残念ながら日本ではテレビ局にオカネが入ります。制作会社は失敗したらテレビ局から怒られますが、成功してもそれほどもうかるわけではありません。

そういう状況では失敗しないことが大事になってしまって、過去に成功したものやほかのチャンネルでうまくいったものをマネしたりすることが賢いやり方になってしまって、新しい企画が通りにくくなってしまいます。

しかし制作会社に著作権があれば、大ヒットを狙って大きな予算をかけていい番組を作る会社もでてくるかもしれません。

 

アメリカでは制作会社が儲かる仕組みになっているので、ハリウッド映画を作っているような会社がテレビドラマ制作に乗り出してきて成功をおさめています。

 

タレントへのオカネの支払われかた

また、テレビ局が大きな力を持っているかどうかはタレントへの報酬の支払われかたにも影響しています。

電波オークションしないのでテレビ局の入れ替わりのない日本では、芸能事務所が大きな力を持つようになります。テレビ局のなかにどれだけ人脈をもっているかが仕事を回してもらうために大事になるので、タレントは人脈を持っている芸能事務所に会社員のように所属するようになり、そこから報酬を受け取るようになります。

そういう仕組みだと、テレビドラマなどで『バーター出演』が多くなります。

 

芸能事務所は所属する新人を売りこみたいので、人気の俳優をドラマなんかに出すときに、「一緒にこの新人も出演させて」とセットで出演させることを求めます。

大成功しても大儲けが見込めない制作会社も人脈が大事なテレビ局も“断るための強い理由”がないので、ドラマには人気の俳優といっしょにあまり演技の上手くない新人が出演することになります。

人によって好き嫌いがあるので海外ドラマが嫌いな人もいるとは思いますが、海外ドラマの、名前を聞いたことないような脇役でも、日本のドラマよりかは演技がうまいことを否定することはむずかしいでしょう。

 

アメリカでは制作会社がバーター出演を認めるうまみが低いので、出演者には演技力やなにかしらの魅力が求められるわけです。

 

テレビ局が主導権を持っているかどうかでテレビドラマのクオリティが変わると考えたら面白いですよね。ただ日本にはアイドルを見てもわかるように、『未完成なものをファンで見守って育てる』のが好きな文化があるので、テレビ局と芸能事務所が現在のような関係にあるのは『電波オークション』がないことだけが原因ではないかもしれません。

『素人を育てる文化』と『プロを鑑賞』する文化のどっちが上ということはないので。

 

このサイトもはじまってまだコンテンツがそろっていませんが、ぜひあたたかい目で応援してくれたらうれしいです。

 

 

電波オークションはやるのか

菅政権は『携帯電話代の4割値下げ』を目標にそれまで誰もできなかった電波法の改正にとりかかっています。また菅内閣の加藤官房長官は10月13日の記者会見で電波オークションについてふれるなど、やる可能性は十分にあります。

そしてやられたら困るテレビ局が報道に忖度(そんたく)させることも考えられるので、これから先、電波オークションについてのニュースがあったら、ぜひそういう事情も考えながらニュースのされかたをおもしろがってみてください。

菅政権の記事