2021年1月15日

【政治史1】負けからはじまる近現代史

《耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び___》

 

1945年の8月15日の昼に流れたラジオ放送は、アメリカとの戦争に日本が負けたことを告げるものでした。

このあとに明治時代から続いた大日本帝国憲法が憲法9条を掲げた日本国憲法に変わり、現代の日本の体制になっていきます。日本の現代史は終戦から始まると言ってもいいでしょう。

しかし私たちは日本の近現代史について学校であまり深く勉強をすることはありません。近隣諸国のお気持ちに配慮して、うかつなことが言えないためです。

そこでこのサイトでは、敗戦から現代まで続く政治の歴史をわかりやすく解説していきます。

わかりやすくするためにデフォルメしているので、本当に勉強したくなったらちゃんとした本とか買って読んでね!

 

では始めます。

 

 

赤い悪魔!! ソ連の侵攻!!!

まず、ソビエト連邦(ロシア)が攻めてきました。

玉音放送から時を遡ること1週間前、1945年8月8日にそれまで日ソ中立条約で中立を保っていたソ連が、二日前に原爆を落とされて敗色濃厚な日本に対して突如として侵攻を開始します。

この侵攻は日本が無条件降伏を宣言して武装解除した9月2日のあとも3日間続き、この間に日本は北海道の先にある千島列島を占領されてしまいました。今日まで続く“北方領土問題”はこのときに始まりました。

そしてギブアップして武装解除した後の日本をボッコボコにしてソ連はちゃっかり戦勝国になりました。

 

連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサーがやってきた!!

サングラスを掛けて特徴的なコーンパイプをくわえたキメッキメの写真をどこかで見たことがある人は多いんじゃないでしょうか。玉音放送から15日後の1945年8月30日、神奈川県の厚木海軍飛行場に連合軍最高司令官ダグラス・マッカーサーが来着しました。

このときタラップから降りてくるマッカーサーは、それまでの戦争相手である日本人を威圧するために、すごく格好つけた階段の降り方をしてきています。興味のある方はユーチューブとかで探してみてください。

しかしマッカーサーの努力もむなしく、当時の日本のマスコミの扱いは意外と小さかったようです。

そして9月2日、マッカーサーは日本の降伏を受け入れる調印式に参加し、日本はポツダム宣言を受け入れます(このときソ連は絶賛侵攻中)。

 

 

ポツダム宣言とは

ポツダム宣言とは1945年7月26日に日本に勝った戦勝国のイギリス首相、アメリカ合衆国大統領、中華民国主席の名において日本に対して発された、全13か条からなる宣言のことです。

カンタンに言うと日本に対して

 

「この条件を認めたら降伏すんの、認めてやるわ!」

 

というものです。13条の内容はこう。

 

1.吾等(合衆国大統領、中華民国政府主席、及び英国総理大臣)は、吾等の数億の国民を代表し協議の上、日

本国に対し戦争を終結する機会を与える。

 

2.3ヶ国の軍隊は増強を受け、日本に最後の打撃を加える用意を既に整えた。

 

3.世界の自由な人民に支持されたこの軍事力行使は、ドイツとドイツ軍が完全に破壊されたと同様、日本と日

本軍が完全に破壊される事を意味する。

 

4.日本が軍国主義者の指導を引き続き受けるかそれとも理性の道を歩むかを選ぶべき時が到来したのだ。

 

5.吾等の条件は以下のとおりであり、これについては譲歩しない。執行の遅れは認めない。

 

6.日本を世界征服へと導いた勢力を除去する。

 

7.第6条の新秩序が確立され戦争能力が失われたことが確認されるまでの日本国領域内諸地点の占領

 

8.カイロ宣言の条項は履行されるべき。又日本国の主権は本州、北海道、九州及び四国ならびに吾等の決定す

る諸小島に限られなければならない。

 

9.日本軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る。

 

10.日本人を民族として奴隷化しまた日本国民を滅亡させようとするものではない。一切の戦争犯罪人の処

罰。民主主義的傾向の復活強化。言論、宗教及び思想の自由並びに基本的人権の尊重は確立されること。

 

11.日本は経済復興し、課された賠償の義務を履行するための生産手段のみを保有出来る。戦争と再軍備のた

めのそれは認められない。

 

12.日本国国民が自由に表明した意志による平和的傾向の責任ある政府の樹立。これが確認されたら占領は解

かれる。

 

13.全日本軍の無条件降伏。以上の行動に於ける日本国政府の誠意について、同政府による保障が提供される

こと。これ以外の選択肢は、迅速且つ完全なる壊滅のみ。

 

1〜4条は

 

「戦勝国のオレら(アメリカ・中華民国・イギリス)で話し合った結果、日本に降伏するチャンスを与えたるわ。

 オレらの軍隊は日本にトドメさす準備がすでに出来とるで!

 世界中の自由な人たちが応援してくれとるオレらの最終攻撃は、ナチスドイツ軍を完全に破壊したみたいに日本軍

 をいてこましてしまうやで!!

 日本が軍国主義を続けていくのか、理性的にやっていくのか、選ぶタイミングがきたんやで!!!」

 

と降伏するのかしないのか、決断を迫るものです。

 

 

5条からは降伏する際に日本が飲むべき条件について書かれています。

 

「オレらが日本の降伏を受け入れる条件は以下のとおりや! この条件については譲歩せんし待ってもやらんからな。

 

1.まず日本を操って世界征服(せかい…せいふく?)させようとした悪い奴らを除去しよーな!

2.それができたと確認できるまでオレらは日本を占領してるからな!

3.あとカイロ宣言は守ってや、日本の主権は北海道、本州、四国、九州、あとはオレらが許可する島だけにあるで!

(カイロ宣言とは1943年にアメリカ、イギリス、中華民国がエジプトのカイロで話し合って決めた、降伏したあとの日本に提示したこの3つの条件のこと

 

・日本は満州と、台湾と、澎湖島は中国に返しなさい

・1914年以後に占領した土地は全部放棄しなさい

・朝鮮の独立を認めなさい

4.日本軍は武装解除されたあと家に帰って普通に生活してええで(何も罪には問わんから、変に抵抗とかしたらあかんで?)。

5.日本人を奴隷にしたり滅亡させたりはせーへんよ。戦争犯罪人の処罰と民主主義の復活はするで!

6.言論と宗教と思想の自由、あと基本的人権の尊重は確立してもらうで!

7.日本は経済復興してオレらに賠償してもらわんといかんから生産手段を認めたるけど、戦争と再軍備のためにやるや

つは認めんからな!!

8.日本の国民が自由な意見で平和な政府を樹立したら占領やめたるでな。

9.日本軍は無条件降伏しぃや、誠意見せてぇな。もしもそれ以外の選択肢とったら迅速かつ完全に壊滅するだけや

で?」

 

こうして日本はポツダム宣言を受諾して、敗戦国になりました。

ここで注目したいポイントは、ポツダム宣言で“日本軍”は無条件降伏していますが、“日本国”は無条件降伏したわけではないというところです。

 

だって『条件』出されてますよね?

 

と言ったところで次回に続きます!

近現代史シリーズ