2021年1月18日

世界中で切り捨てられるコロナ世代

韓国で去年から「꼰대(コンデ)」という言葉が流行っています。

「コンデ」とは、自分の経験を一般化して若い人に考えや行動などを一方的に強要する中高年を意味します。

「最近の若者は〜」とか言ってお説教をする人のことですね。

もとはスラングだったんですが、コンデを扱った「コンデインターン」というドラマも作られるくらい一般的になりました。

昨年くらいから頻繁にメディアでも取り上げられるようになりましたが最近、さらにこの言葉に関心が集まっている背景のひとつに、新型コロナウイルスの感染拡大があるようです。

 

 

若さが先走って自粛できなかった韓国の若者

コロナウイルスが世界中に爆発的に広まっていくなか、最初のうち韓国は、感染者のクレジットカードやスマートフォンの使用履歴や監視カメラ(韓国は世界有数の監視カメラ数)から感染経路を特定して隔離する「K防疫」というやり方で完全にコロナウイルスを押さえ込んでいたのですが、スマホなどのデジタルツールを使い慣れている若者たちがクラブで遊んだりパーティにいくためにウソの連絡先などを使って監視網をくぐり抜けて集団感染しました。

 

これに怒った高齢者は若者を非難します。

 

「これだから最近の若者は!!」

「他人のことが思いやれないのか!!」

「国のためになんの役にも立たない쓰레기!!」

 

 

反撃の若者

道徳的正義の立場から叩かれまくっていた若者ですが、感染も収束してきた3ヶ月後、今度は高齢者がやらかします。

 

8月15日に行われた文在寅大統領の親北朝鮮の方針などに反対する保守派(韓国は中年〜高齢者にかけて保守派が多い)の集会で新規感染者数が上昇したのです。

若者たちは3ヶ月前の恨みを忘れていませんでした。

過去に散々に叩かれた若者は鬼の首を獲ったように

「これだから꼰대(コンデ)は!!」

とこき下ろすことで復讐を果たしたわけです。

日本と比べると韓国は儒教の影響が強く、日本よりも年功序列社会(初対面で年齢を聞かれて、それによって扱われ方が変わる)なので、普段の恨みが累積しているところに火がついて世代間の対立が強く出たんですね。

 

忍び寄る軍靴の足音と深刻なアメ不足

ところで我が国では18日、政府から国会に感染症法改正案が提出されました。

この法案、案なのでまだ決まったわけではないのですが、罰則規定があります。

成立したなら非協力的な態度には罰金、入院したくない患者でも条件が満たされれば強制入院が可能になります。

人によっては軍靴の足音の聴こえる法案ですが、私はそれでも強制力を伴う法案に賛成です。

 

NHKの世論調査でも86%の人が新型コロナ対策で個人の自由制限『許される』と答えているそうです。

 

経済自粛と再開の天秤は、自粛に賭けるより仕方ありません。他の国が自粛を選んでいる中で一国だけで経済再開しても、外国から感染を警戒されてシャットアウトされてしまうからです。

 

大事なことは自粛してカネの流れが干上がって枯死しそうな会社や個人事業主、人間に、自粛のあいだ死なないだけの補助をすることではないでしょうか。どんなものでも壊すのはカンタンですが、また新しく組み立てるのは難しいです。自粛前は正常に機能していた仕組みですから、一過性のウイルス蔓延でバッサリ切り捨てるとあとあと困ることになります。冬が来たからって夏服を捨てるみたいなものです。

 

 

日本でも強まる世代間の分断

大学のキャンパスライフもハロウィンもクリスマスも自粛、挙げ句の果てには人生に一回しかない2021年の成人式もコロナウイルスの影響で中止にされる。そしてその後の人生に待っているのはコロナ不況と就職氷河期です。

その上ちょっとマスクを忘れただけで、ドラッグストアに集まった高齢者たちからは白い目で見られ…

 

若者たちは我慢を強いられています。厚生労働省のまとめたコロナウイルスによる年代別死者数では圧倒的に60代以上が多く、高齢者のリスク回避のために、若者がより多く負担していることになります。

これから先、コロナ不況が実感されてくると、ますます高齢者への当たりが強くなり、韓国のように世代間の分断が深刻になることが予想されます。

 

一個人としては大変なことではありますが、世界の他の国でもコロナ世代の不遇は国の負債として問題になっているので、どの国がどうアプローチしてこの問題をいち早く解決していくのか、そういう視点で国際ニュースを見ていくと面白そうです。

コロナウイルス