2021年2月11日

結局自衛隊って合法なの? 違法なの?

2月の中国の海警法の改正で、尖閣諸島の周辺に連日のように中国から不審船がやってきている2021年ですが、これから先、尖閣諸島は中国のものになってしまうのでしょうか。

私たちの政府は国際法に違反した武器使用を認める法律を作った中国に『強い懸念』を表明するばかりで全くの弱腰な状況です。

この情けない現状の理由として、まず1番最初にあげられるのは我が国の誇る平和憲法第9条でしょう。

 

日本国憲法第9条

1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。

2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。 国の交戦権は、これを認めない。

日本国民は正義と国際的なルールによってもたらされた平和な状態を誠実に求めていきましょう。

戦争を仕掛けたり、武力で威嚇したり武力を使うことは、国際紛争を解決する手段としては永久に使いません。

この目的を達成するために陸海空軍その他の戦力を持ちません。

 

という意味です。

 

こう日本国憲法に記されているように、日本は武力の永久的な放棄を謳っています。それどころか【交戦権】まで認めていません。

軍隊を持っていない国は実は世界にも結構あるのですが、【交戦権】まで否定している国はそうはありません。

それはなぜかと言うとこの交戦権、英語で書くと “The right of belligerency” という言い回しが英語圏では一般的に使われていないので、外国では憲法の中に【交戦権】という言葉が出てこないからです。

 

あやふやな単語で書かれたあやふやな憲法なので、武力を永久に放棄してるはずなのに24万人の軍服っぽい服を着てミサイルや戦闘機や戦車で武装した謎の組織(自衛隊)がいたりします。

どう見たって軍隊な見た目なのですが、軍隊ではないことになっています。

 

そういう状況なので、日本では

 

「戦力を保持しないって書いてあるけど、警察官が銃を持っているのは戦力なの? どの辺からを戦力ってよぶの?」

 

「自衛隊ってどう見たって軍隊だから、憲法に反しているんじゃないの?」

 

など、自国の中でもよくわかんなくなって国民同士がもめています。

そこで今回の記事では自衛隊は結局のところ合憲なのか、違憲なのか調べてきました。

それではよろしくお願いします。

 

 

そもそも憲法ってなぁに?

日本国憲法なんて言うけど、そもそも『憲法』『ただの法律』ってなにが違うのかからしてよくわかりませんよね?

法律というのは私たち国民や日本に旅行に来ている外国人なんかも守らないといけない【日本の権力の範囲内でだけ通用するローカルルール】です。

一方憲法というのは【国に対する国民からの注文】です。

私たちの日本は民主主義の国であるので、主権者である私たち国民が、それぞれの持つ主権を日本政府に代行させて政治を行わせているというていで運営されています。

なので憲法はよく読むと

 

「日本は国民主権の国だよー」

とか

「基本的人権は「侵すことのできない永久の権利」なので、憲法で保障するよー」

 

とか、国が国民にたいして守るルールが書かれています。

 

 

日本の憲法はメイドインUSA?

日本が第二次世界大戦で負けてしばらくの間、日本はアメリカ軍に占領されて本当に軍隊を持っていませんでした。

激戦の末に原子力爆弾を2発落としてやっと日本を倒したアメリカは、親切心から日本がもう2度とアメリカを攻撃して来なくしてあげようと、日本のために現在の日本国憲法の元になるGHQ草案を考えてくれました。

この案の中に憲法9条が含まれていたので、憲法9条はアメリカが考えたと言えます。

戦勝国であるアメリカから圧力を感じたのか、敗戦して戦争はもう懲り懲りだと思っていたのか、日本はこのGHQ草案を大きく取り入れて日本国憲法を作りました。

このときに押さえておきたいポイントなんですが、日本を占領していたGHQ最高司令官マッカーサーが書いた最初の日本国憲法のコンセプトでは

 

Japan renounces it as an instrumentality for settling its disputes and even for preserving its own security.
日本は、紛争解決の手段としての戦争のみならず、自国の安全を維持する手段としての戦争も放棄する。

No Japanese army, navy, or air force will ever be authorized and no rights of belligerency will ever be conferred upon any Japanese force.
日本が陸海空軍を保有することは、将来ともに許可されることがなく、日本軍に交戦権が与えられることもない。

                       昭和21年2月3日 マッカーサー・ノートから抜粋

 

と自衛のための防衛戦争も放棄することになっていたのですが、同じGHQの民政局課長チャールズ・L・ケーディスが『自国の安全を維持する手段としての』というところを日本が自国を防衛することを容認するようにあとから書き直しました。

のちにケーティス本人がインタビューに答えて

 

「私 は,ど の 国 家 に も,自 己 保 存(selfpreservation)の権利があると思っていました。日本は,他国の軍隊に上陸された場合,みずからを防衛することは当然できるはずです。ただ座して待ったり,侵略者に我が物顔でのし歩かせる必要はないわけでしょう」

出典:憲法9条の成立経緯http://repo.komazawa-u.ac.jp/opac/repository/all/17315/jfku062-02.pdf

と答えています。

弁護士資格を持っていた法学者でもあるケーディスは

 

自分の国を守るための権利を持たない国なんて、フツーに考えたらないよね

と考えたわけです。

 

つまり、日本国憲法では自国の防衛のための戦争は認められているわけですね。

日本は自衛戦争はできるけど、侵略戦争はできないということになります。

 

 

結論

日本国憲法をそのままに読むと、戦争を放棄して武力を持たないといっているわけですから、どんな場合でも戦争ができないように読めてしまいますが、こういう経緯なので防衛戦争は行えるわけです。

だから現在国会などで問題になっているのは

 

憲法9条があるのに自衛隊が存在していいのか? いけないのか?

 

じゃなくて、

 

防衛戦争はしていいってなっているけど、どの辺からが防衛なのか?

 

な訳です。

 

相手がミサイル撃ってこようとしたから、撃たれる前に先制攻撃して敵のミサイル基地を壊すのは防衛? それとも侵略?

 

どこの国にも属さない「公海」でいっしょに活動していたアメリカの艦船が攻撃されたときに、一緒に行動していた自衛隊が反撃することはアリなの? ナシなの?

 

みたいな議題で国会議員たちが話しあっています。

そこのところの結論はまだ出ていません。

ただ、日本の安全保障を考えるときに、

 

自衛隊は憲法9条に違反した存在ではないことになっている

 

というところは覚えておいてください。

 

自衛隊の成立したときの国際情勢についてはこちら⬇︎⬇︎⬇︎

【政治史3】吉田茂のがんばりと日本の主権回復

政治の仕組み