2021年3月5日

日本の未来を知るために、オーストラリアに注目しよう!

“ドクターコッパー(Dr.COPPER)”という言葉を知っていますか?

ドクターとは博士のこと。コッパーとは銅のこと。

銅は送電線から自動車まで幅広く使われるので、世界の景気に先行して動きます。

株や先物取引をやっている人からは世界経済のちょっと未来を教えてくれる先生として、“ドクターコッパー”と呼ばれています。こういう大きな流れに先行して動く事物を“先行指標”と言います。

ドクターコッパーの他にも炭鉱で毒ガスが充満しているか知るために使われる“炭鉱のカナリア(小さなカナリアは毒ガスがあるとすぐに死ぬのでそこにガスがあるとわかる)”“靴磨きの少年(学のない少年でも株を買おうか話題にするようになったら、それはバブルなので経済崩壊が近い)”など、いろんな世界にはそれぞれちょっと先の未来を教えてくれる先行指標があります。

国際情勢についてもそうで、特に日本と中国との関係を考えたときに注目したい先行指標はオーストラリアという国です。

中国が勢いを増すほど高まる反感


飛ぶ鳥を落とす勢いで拡大を続ける中国ですが、最近親中国だったオーストラリアが反中国に転向。それまで中国とズブズブだった反動で、どこの国よりも反中国になっています。

「オーストラリアが先に中国を標的にしたのだということを、我々は忘れてはならない」

豪紙「オーストラリアン・ファイナンシャル・レヴュー」は、「両国の自由貿易協定(FTA)調印後、オーストラリアは世界貿易機関(WTO)のルールと合致しない反ダンピング税の手法によって、中国からの100品目余りの輸入を阻止した。また、全世界に先駆けて華為技術(ファーウェイ)による5Gネットワークへの参加を禁止した。オーストラリアはほぼ中国からのいかなる投資も禁止し、州政府や大学の中国側との二者間協力も禁止した」と報じた。

豪州の政治屋が「対中不安症」に陥る理由–人民網日本語版–人民日報 よりhttp://j.people.com.cn/n3/2021/0219/c94474-9819800.html

オーストラリアにとって中国は輸出入共に最大の貿易相手国にもかかわらず、近年オーストラリアは親中から反中へと急激に舵を切りました。

経済で大きく依存しているにもかかわらず対中関係が悪化した理由として、オーストラリアの首相は『中国の干渉』を挙げました(首相が外国からの内政干渉を防止する法律を国会に提出した際に発言)。

大学で人権侵害を訴える集会をしたら2年間の停学にされたケース

例えば2019年7月にクイーンズランド大学のキャンパスで学生が香港、チベット、新疆ウイグル自治区の人々への中国政府・共産党の人権侵害を訴える集会をしたときに中国人に囲まれたり、集会のリーダー格のドルー・パブロウさんがアジア系の謎の中国人集団に襲われたりしています。

このいざこざに対して中国政府は殴った中国人たちを「反中国の分離主義活動」として賞賛。

一方パブロウさんは「イジメ行為」を理由に2年間の停学処分を受けました。しかしパブロウさんはこれに「イジメ」の被害者とされている学生の、「イジメの事実などない。大学の処分の理由はお笑いぐさ」とする電子メールを添えて対決姿勢を示しています。

実際どっちが悪いのかホントのところはわかりませんが、オーストラリアの大学は中国人学生が多いことの他に中国人実業家らからの寄付も受け取っており、中国共産党の意向が処分の重さに繋がったという見方ができます。

そういえば日本の大学も経営が厳しいので多くの中国人留学生を受け入れていますよね。

選挙工作と謎()の死

オーストラリアの報道番組「60ミニッツ(60 Minutes)」によると、中国情報当局が豪連邦議会にスパイを送り込もうとしていたとのことです。

2019年3月にメルボルンのホテルで遺体で発見された高級車販売店を経営する中国系オーストラリア人、ボ―・ニック・ジャオ(Bo NikeZhao)さんが生前、情報機関当局のオーストラリア保安情報機構(ASIO)に「中国当局にスパイになるよう打診された」と報告していたそうなのです。

実際のところは誰にもわかりませんが、選挙工作を断った上にチクったから消されたように見えますよね。

このジャオさんに選挙資金100万豪ドル(約7390万円)を提供した中国系オーストラリア人のビジネスマンのブライアン・チェンさんはスパイ組織のボスである疑惑が持たれています。

でもそんなスパイ組織とか…

映画じゃあるまいし…

信じられないですよね?

中国から亡命希望の元スパイ、豪に膨大な情報を提供

ところが2019年の終わりごろ、中国共産党のスパイ機関の大物『王立強』さんがスパイ活動の名簿や情報を持って亡命申請してきました。
スパイ機関って本当にあるんですね。

この情報提供に、ASIOの長官を務めていたダンカン・ルイスさんは、

中国が「水面下で狡猾(こうかつ)」に組織的なスパイ活動と利益誘導を駆使してオーストラリア政治体制の「乗っ取り」を企てている

と注意を促しました。

そりゃこれだけやられれば反中国にもなりますよね。

反中国でも許されるようになってきている日本


遠くオーストラリアで行われている工作が日本でだけは行われていないとは考えづらく、日本でもこのような工作は行われているだろうと考えられます。

しかしオーストラリアでもそうだったように、メディアや企業、大学は中国マネーに経営を依存してしまうので、あまり反中国な発言はできません。

そのせいで表立った報道と私たちの実感覚の間には大きなずれが生まれてしまいます。この溜まった鬱屈がひっくり返るときに一気に世論がひっくり返ってしまうわけです。

最近地上波でもやっと表立って中国を批判する報道が見られるようになってきました。これは日本国内に、中国に忖度せずに批判しても許される空気が生まれてきています。

これから気をつけないといけないこと

自由に意見が言えるようになることはいいことなのですが、これまで忖度していた分、一気に

「けしからん中国に誅伐を!」

「武力には武力で! 倍返しだ!!」

みたいな強硬派がもてはやされる空気になるかもしれません。

しかしそこで認識してないといけないのは、日本は中国に戦争で勝てるほど強くないし、勝っても得るものが大してないということです。

この記事をここまで読んだ人は安易に極端な平和主義や強硬論に走ることなく、

「いざとなれば戦争も辞さない!!」というポーズを見せつつ中国から譲歩を引き出すのがいちばんトクだよね! 

くらいのメタ視点で対中関係をみていきましょう!

それはそれとして中国が入国者に肛門PCR検査を始めました。渡航の際はしっかりした下着を着用していきましょう!!

考え直して…

参考にした本

オーストラリアが中国にどうやって浸透されてきたのかすごく詳しく書かれています。

世界的ベストセラーになりました。

地政学