2021年4月14日

スエズ運河で日本の船が座礁した時もよく出た用語『シーレーン』ってなに?

2021年3月23日に日本の会社が保有し台湾の会社が運用するコンテナ船「エヴァーギヴン」がスエズ運河で座礁して河を塞いでしまう事故がありました。

29日に「エヴァーギヴン」は無事に離礁できたんですが、たった6日運河が塞がっただけで9億ドル(約980億円)の損害賠償が日本の会社に請求されることになりました。

このニュース、大変大きく報道されたのですが、ニュースなどで観た方にもそれがどれだけ問題なのかピンときた人は少ないと思います。

賠償額は大きいけれど、他人事ですもんね。

スエズ運河座礁についてのわかりやすいまとめ↓

実は海には道がある?

一見すると自由に航路を引けそうな海ですが、遠回りするととっても損なので、皆が同じような経路を通って移動しています。

この海の道のことを『シーレーン』と言います。

そしてこのシーレーンにはスエズ運河や上の図でいうマレーシアのところにあるマラッカ海峡のように、そこを押さえたら海を支配できる『チョークポイント』と呼ばれる場所があります。

たとえばスエズ運河を管理しているエジプトが

日本気に入らんからスエズ運河とおさんわ!!

とやったら、日本がこれから先どれだけ頑張って国内でいい製品を作ってもヨーロッパで売っていくのは難しくなるでしょう。

スエズ運河を通れなくなると運送に掛かる費用が1.4倍になるし、時間も掛かるからです。

海を支配するということは、チョークポイントをどれだけ影響下に置くかということ。

最近ニュースなどで中国が海洋進出してきてアメリカの覇権を切り崩そうとしているみたいなニュースがあります。

しかし海は広いのだから中国の艦船が監視している場所を通らずにいけばいいと思いませんか?

広い海に等間隔で隙間なく空母を並べるでもしないと支配なんてできない気がします。

しかし『チョークポイント』と『シーレーン』というモノの見方を覚えてしまえば、『チョークポイントという点』さえ押さえてしまえば『海という面』を支配下におけることがわかります。

つまり海を支配するということは、チョークポイントをどれだけ影響下に置くかということなんです。

尖閣諸島はチョークポイントだから超重要

最近中国の船が頻繁に現れて尖閣諸島はいつ中国に占拠されてもおかしくない状況ですが、中国が尖閣諸島を狙う動機の一つに“チョークポイント”だからというものがあります。

中国からみたら、東から太平洋進出を考えたときに日本列島というのは本当に邪魔です。キレイに全面的にフタをされています。

北海道の北を回ると北方領土を支配しているロシアが黙ってませんし、津軽海峡と関門海峡は日本の領海で通れません。

そう考えたら狙い目は尖閣諸島と沖縄の間の隙間です。

ここは“排他的接続水域”。

“領海”ではないので外国の船舶も自由に航行できます。

中国の目で見たら尖閣諸島って本当に邪魔ですよね。日本が尖閣諸島というチョークポイントを押さえているせいで自由に航行できないのです。

台湾と尖閣諸島をもし中国に取られたら外洋に展開した中国艦隊に日本のシーレーン(海の道)が完全に支配されることになります。

日本の輸出入の90%以上は飛行機や陸路ではなく、船で運んでやっています。

外国から仕入れている石油や食料を中国が自由に止めることができるようになるわけです。

まとめ

・海は広いけど、実際に使える航路は決まっている。

・その決まった航路を『シーレーン』と言う。

・シーレーンにはところどころ“そこを押さえたら辺り一体を支配”できる『チョークポイント』という特別重要な地点がある

地政学