2021年5月6日

競争から降りていく『#弱者男性』って何なの?

2021年、働き方が変わってきている。

日本の高度経済成長期、真面目な国民性、企業に対する社員の高い忠誠心で、日本の会社員は過度な残業も厭わない企業戦士(エコノミック・アニマル)として他国の労働者を圧倒し、日本は敗戦国から一転、アメリカに次ぐ世界第二の経済大国となることができました。

24時間戦えますか?

と、当時流行したCMのキャッチコピーにもあるように、それはもうモーレツに働いたのだそうです。

その会社への献身の源泉になっていたのが、倒産などしない限り定年まで労働者を雇用する『終身雇用制度』でした。

企業と労働者は人生の大半を共にする家族。

社長はお父さん(当時女社長は少なかった)、先輩は頼るべきお兄さんで後輩は教え、守り、導くべき弟。

生涯を転職せずにひとつの会社で終えるのが理想でした。

しかし年功序列で昇給していく終身雇用制度は、業績が右肩上がりの状況でしかうまく機能せず、高度経済成長期が終わってしまった日本では上手く回らなくなってしまいました。

グローバル化によって海外との競争に晒されている日本企業には、もう昔のように新入社員を気長に育てたり、社員のお嫁さん枠として“総合職”の女性を雇ったり、時代についていけなくなった高齢の企業戦士を養う余裕がありませんでした。

企業が欲しいのは即戦力、高スキル人材。しかも技術革新の流れは早く、今日の高スキル人材が持っているスキルが明日も役に立つとは限らないので、あくまで期間限定で雇うことになります。

このような時代の流れで、『会社』という場所は生涯を捧げるべき『家族』から、たんにお金を稼ぐための場所になってしまいました。

2021年現在、日本では終身雇用時代の忠誠を社員に求めながら、海外企業のように即戦力を使い捨てるいいとこ取りの企業文化が主流になっています。

社会の意識は現役世代が入れ替わる30〜40年経たないと変わらないので、時代の速い流れとの間にタイムラグが生まれているわけです。新旧の価値観の悪魔合体です。

しかし確実に変化は進んでいて、若者の間ではそういった企業を『ブラック企業』と呼んで忌避したり、会社の都合より自分のプライベート充実を優先したり、気に入らなかったら辞めてもいいような空気にだんだん変わってきています。

転職は当たり前。一つの企業だけに属することはハイリスク。

スキルを磨いて会社に縛られずに複数のクライアントから求められて仕事をこなしていくのが現代の若者の働き方の理想の一つになっています。

最近の企業寿命は平均15年とも言われているので、大変理に適った態度と言えます。一生を尽くすつもりで働いても、企業の方が先に寿命が尽きるわけですから。

しかし就活では「御社の社風に惹かれて…」「学生時代はボランティアをがんばり…」「サークルでリーダーシップを〜」とか嘘をつきます。お金が稼ぎたいだけなのに。

でも“御社のお金以外の面がスキ! できれば一生添い遂げたい💓”というポーズをとらないと面接に受かりません。まるで恋愛みたいですね。

ところで恋愛といえば『就活』から生まれた『婚活』という言葉があります。

結婚するためにお見合いパーティーに行ったり合コンに行ったり、フラワーアレンジメントの資格をとって女子力を高めたりする活動のことですね。

就職と結婚は似ているのかもしれません。

実際、就職と結婚に対する価値観は同じような変遷をしていて面白いものがあります。

明治、大正、昭和、平成、令和と女性の社会進出が進み、段々と結婚は“しなければならないもの”から“したい人だけするもの”になりました。

妙齢になったら世話焼きのおばちゃんが適当な相手を見繕ってくれて、お見合いしてみんなが結婚していることが当たり前な社会から、恋愛をして好きな相手を見つけて、上手く行っても結婚してもしなくてもいい社会になったわけです。

50歳までに一度も結婚しない人は2015年の段階で男性が23.4%、女性が14.1%だそうで、1980年と比べて男性の未婚者の割合は約10倍、女性が3倍。

結婚に占める再婚の割合は27%で再婚数は男性が女性を1万8千件ほど上回っているそうです。

つまり、一部の男性が初婚の女性と結婚→離婚→再婚を繰り返していることになります。裏側では一生結婚できない男子と、モテ男と離婚したシングルマザーが量産されているわけですね。就職市場と同じで恋愛市場でも高度人材に求人が集中しているわけです。

実は日本においてほとんどの人が結婚するようになったのは、明治維新以降に富国強兵のスローガンのもと、政府が兵隊を増やすために出産を奨励したからだそうです。

ある意味、江戸の昔の日本人本来の姿に戻っているわけですね。

そして恋愛に関する価値観も状況に応じて変化が見られます。

結婚離婚は当たり前。1人のパートナーに依存するのは自殺行為。流石に同時並行して複数と付き合うとまではいかないけれど、何かあったときのために異性の友達と収入を得るための手段は常に確保しておく。

というスタイルです。

仕事をクビになってもすぐに次の仕事につけるようにして会社に依存するのをやめよう! 

というのと同じですね。

男女差があるのは有名なネット小噺『JPモルガン社長と婚活女性とのやりとり』にあるように男女で魅力に感じる場所が違うことが原因だと考えられます。

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【質問】
私の何が間違っているというの?
率直に言います。私は美人な25歳の女性です。聡明ですし、上品だとも自負しています。
私は少なくとも年収5000万円以上の男性と結婚したいと考えています。
5000万円だなんて大それたように聞こえますが、ニューヨークの中流階級の方の年収は1億円だと言われており、私は決して高望みしているわけではありません。
この掲示板に年収5000万円以上の男性はいませんか?
結婚されている方も私にアドバイスをください。
今まで、100人から150人ほどのビジネスマンとデートしてきたのですが、年収1500万円ほどの男性で頭打ちです。
でも年収1500万円じゃニューヨークのセントラルパークに住むことはできないんです。
私の知り合いに投資銀行の方と結婚した女性がいるのですが、彼女は私より綺麗でもなければ、頭もよくはありません。
彼女は一体何をしたっていうの?
彼女のように私もなるために聞きたい質問は以下の通りです。
1.独身のお金持ちは普段どこにいるのですか?
2.25歳の私が狙えるお金持ちの年齢層はどのあたりですか?
3.何故お金持ちは大して美人でもない女性と結婚するんですか?
4.お金持ちが女性を選ぶ基準はなんですか?
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【回答】
若くして美しいあなたへ
あなたの悩み、とても興味深く読ませていただきました。
私なりにあなたの悩みを分析してみました。
私の年収は5000万円以上あり、あなたのご要望に見合う男性ではないかと思いますので、あなたの時間を無駄にはしないでしょう。
ビジネスの視点から見ると、あなたと結婚することは「悪い選択」だと言えます。
その答えはシンプルです。
大まかに言えば、あなたは、「あなたの美」を引き換えに「私のお金」を交換しようとしています。
非常に単純ですね。
ですがこれには問題がありまして、私の年収は年々増加しているのに対して、あなたの美貌は年々確実に衰退していっています。
ビジネス的な言い方をすれば、私の「資産」が利益的であることに対して、あなたの「資産」は消耗が目に見えてわかる、しかも加速的に消耗されていく減価資産です。
ウォールストリートではあなたのような「資産」を「短期保有」と呼びます。ずっと手元には残すことなく、そのうち売却してしまう資産のことです。つまり女性に置き換えたなら結婚にはいたらない、ということになります。
あまりいい言い方ではないですが、仮に私にとってのあなたの価値が「美」であるならば、あなたという資産は売るか、レンタルしたほうがビジネスの面から見ると合理的なのです。
それとは別に、私の経験からあなたにできるアドバイスは、私のようなパトロンを見つけるのではなく、あなたが年収5000万円を稼げる人材になることです。そのほうが余程簡単でしょう。
とはいえあなたが私と付き合うことが無理なのかと言えばそうではありません。
もし「レンタル」をご希望の場合は私にご連絡ください。
JPモルガンCEOより
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なので、
一人の投資家として答えさせてください。
僕の年収は8千万円以上で、
あなたのいう条件は満たしてると思うから、
僕が答えても問題は無い。。よね。
ビジネスマンの視点としては、
あなたと結婚するのは
悪い選択と言えるだろう。
答えはシンプルだから、説明させてね。
少し詳細を加えながら説明すると、
あなたは、"美しさ"と"お金"の
交換しようとしてるってこと。
Aさんが「美」をあげるかわりに、
Bはそれにお金を払う、ということ。
すると、そこにヤバイ問題があるんだよね。
僕のお金は無くならないけど、
君の美しさっていうのはいずれ消える。
しかも、僕の収入は年々増えるけど、
君は、毎年綺麗になる事はない。
ビジネス的な説明を加えるとすると、
"僕は魅力的な「資産」だけど、"
"君の「資産の価値は低い」といえる。"
実は、君は普通の資産ですらなくて、
急速に変化する
「消費財」ということ。
君の価値は10年で更に悪くなるからね。
ウォールストリートには、
トレード(交換)の時に
「短期交換」ていうのがあるんだけど、
"君とのデート"は
その「短期売買」になるんだ。
もし、交換するモノの価値が
将来的に下がると考えると、
その交換するモノは
長期的に持つべきモノじゃなくて、
というか君のいう「結婚」と考えてたら、
少し言い方が悪くなってしまうけど、
君は資産としては、
売られるか"レンタル"した方が
賢い選択だということ。
年収4千万円以上の
誰でもいいっていうのは悪くないけど、
僕たちは君とは結婚しなくて、
デートだけっていう事。
アドバイスするとしたら、
金持ちと結婚する方法を探す
っていうのは忘れて、
自分自身で金持ちになって
年収4千万円稼いだ方が、
金持ちのおバカさんを探すよりもいいと思うよ。
こんな返事になったけど、
少しでも助けになれば。
あ、あと、
もし"レンタル"に興味あるんだったら、
連絡してね。
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そんなわけで量産されるシングルマザーと生涯未婚男性なわけですが、最近SNSで『#弱者男性』という面白い言葉を発見しました。

弱者男性とは何かというと、フェミニズム文脈でよく既得権益として悪者に描かれがちな『男性特権』について、

「おいおい、俺たちにそんな特権でいい思いなんてしたことねーぞ! それって一部のイケメンとオンナたちが勝手にやってることじゃん! 俺たちに責任だけかぶせてこないで向こう側で勝手にやっててくれよ!」

という非モテ男性の心の叫びでありました。

彼らから見たら女性は声をあげたら社会が取り上げてくれる特権階級。
だって女性のホームレスが1人殺害されたら大ニュースとして報じられるけど、男性のホームレスなんて生きてようが死のうが誰も気にもとめないじゃないか。

女性が泣けば「何か問題があるのか」と注目されるけど、男が泣いたら「何こいつヨワっ!? キモっ!」と遠巻きにされるだけでなんのフォローも入らない。

女性は女性であるだけで価値を認められるけど、弱い男性はそもそも存在を認められない。真の弱者はキモくてモテない我々『#弱者男性』である!!

という弱者男性の立場表明と、男性を目の敵に設定するツイッターフェミニストが激しいレスバトルを繰り広げていたので注目のワードに上がってきていたようです。

自由恋愛社会では就活と同じように高度人材だけがモテるわけですが、その結果生まれるたくさんの母子家庭を社会全体で支えていくことについて、男性の多数派になるだろう弱者男性が「俺たちには関係ない」といつか協力を拒んで社会問題になるだろうと考えると面白いですよね!

最近の意識調査で、若者は男女同権については自明のこととして受け入れる一方、家庭での男女の役割分担については前の世代よりも保守的な傾向が見られるそうです。

誰でも好きな人と一緒になっていい社会男女関係なく自由に働ける社会

なんて誰も否定できない究極の理想にも関わらず、それが実施されることでこんなふうに揺り戻しが来るなんて、よく聞くセリフ

『歴史は繰り返す』

はホントなんだなー、と思ってしまいます。本当に社会って面白いものですね!!

日本のミライ