2021年7月2日

【10増10減】選挙区が変わる?それがなんなの?

衆議院の小選挙区区の定数が東京などの15の県で「10増10減」となる見込みです。

2020年国勢調査の人口に基づいて議席配分をアダムズ方式で計算した結果、東京の選挙区は5つ増えて神奈川は2つ、埼玉、千葉、愛知がそれぞれ1ずつ増えることが分かりました。

一方、選挙区が1つずつ減るのは宮城、福島、新潟、滋賀、和歌山、岡山、広島、山口、愛媛、長崎の10県です。

10増10減に基づく衆議院選挙は2022年以降となる見込みで、2021年秋に見込まれる次の衆議院選挙は現行の定数で行なわれます。

では今回の変更で何がどう変わるのでしょうか?

人口の多い県ほど有利になる

国会議員とは自分の選ばれた選挙区の代表者です。

国会議員の議席配分が変わるということは、多く議席を割り当てられた県の要望は通りやすくなり、議席の減った県の要望は通りにくくなるということです。

代表者が1人しかいない県より、3人いる県の要望の方が通りやすいわけですね。

橋を架けたいとか道路を新しく作りたい場合などに国から予算を引っ張って来れるか来れないかが変わります。

これまでの議席配分のやり方

現在の議席配分の方法は「1人別枠方式」と呼ばれています。

このやり方は、

「国会議員は各都道府県の代表なんだから、最低でも1議席ずつ割り当てるべきだ」

という考えに基づいた配分方法です。

まず各都道府県の代表として47議席をひとつずつ割り当て、残った議席を人口に応じて振り分けます。

平等でよさそうな配分方法なのですが、若者がみんな都市部に集中して地方が過疎化してくると、「1票の格差」が問題になるようになってしまいました。

人口の少ない地域でも多い地域でも必ず1人は議員が選ばれてしまうので、住んでいる地域によって私たちの持つ1票の重さが大きく違ってきたんです。

国民はみんな平等に政治に関われるべきなので、「1票の格差」が大きい現在の状態は憲法に違反していると最高裁で判決まで出てしまいました。

この「1票の格差」をなんとかするために今回、アダムズ方式の導入が決定されたわけです。

アダムズ方式ってなに?

アダムズ方式とは一言でいうと、「人口に応じて議席を配分する」方法です。

この方法を考案したアメリカの第6代大統領ジョン・クィンシー・アダムズさんの名前から「アダムズ方式」と呼ばれています。

具体的には、各選挙区の人口を「一定数」で割り、出た商に応じて議席数の振り分けを決めます。

例えば、

 人口300人の選挙区A

 人口200人の選挙区B

 人口100人の選挙区C

という3つの選挙区に対して6つの議席を配分するとした場合、この人口をちょうどいい数字で割ります。

今回は【100】で割ってみます。

Aが3議席(人口300人÷一定数100)

Bが2議席(人口200人÷一定数100)

Cが1議席(人口100人÷一定数100)

ちょうどよく議席の合計が3+2+1=6になりましたね!

アダムズ方式はこのように各選挙区の人口に応じて議席が分配されます。

固定で1枠ずつ各都道府県に割り当てていた分がなくなったので「1票の格差」は解消されますね!

アダムズ方式の問題点

どんなやり方にも利点と欠点があるもので、「アダムズ方式」を採用することで新たな問題も起こります。

アダムズ方式では人口の少ない地域の議席減が進むため、地方の要望が中央政府に届けられなくなって、人口の少ない地域はより住みにくくなってしまいます。

反対に人口の多い都市部の要望は通りやすくなってより住みやすくなるわけです。

富めるものはより富んで、貧しいものはより貧しくなるので地域格差が大きくなります。

みんな快適な場所に住みたいわけですから、人口はより都市部に集中することになるでしょう。

選挙に与える影響

日本では農協などを支持団体にしている自民党は地方で強く、リベラルな若者が多い野党は都市部に強い傾向があります。

実際、今回のアダムズ方式で廃止される区は全部自民党の強い選挙区ばかりです。

もともとは野党有利になるから野党が乗り気で、不利になる自民党は先延ばしてたんだけど、なぜか決まったら野党は「地方の衰退が進んでしまうッ!!」って反対してるよね…

今回のアダムズ方式の採用は、自民党を弱体化させて野党を躍進させる方向に働きます。

いまの日本は、

自民党はろくでもない問題ばっかり起こしてるけど、実行力のない野党よりはマシ!

と消去法で自民党を選んでいる人ばかりです。

現在行われている都議選では自民党が大勝しそうですが、アダムズ方式の採用される2022年以降の選挙を見越して、

今年の秋に開かれる衆議院選挙では、ぜひ野党に何かしらのインパクトを残してもらいたいですね!

みなさんどこの党を応援するか決めましたか?

7/5 追記 都議選では都民ファーストと公明党が善戦しましたね!予想外でした。

政治の仕組み