『内閣不信任案』と『衆議院解散』の気になる関係

うーーーーーーーーーーーーーーーーーーーん??

どうしたんですか?

あ、先生! さっきニュースでやってたんだけど

野党が『内閣不信任案』を国会に提出したから
内閣が『衆議院解散』するかも??

みたいな話になってて…

野党が「いまの内閣総理はイヤ!!」って言うとなんで
総理大臣が「じゃあ衆議院を解散しますね?」ってなるの?

それは国民の意思を反映するための仕組みですね。

総理大臣には衆議院を好きなときにいつでも解散できる『解散権』があります。

なにそれずるい!!
じゃあ気に入らないことがあったらいつでも解散できるから
総理大臣は好き勝手できるじゃない!!

そうですね、総理は内閣支持率が高い時など自分の有利なときに解散できるから、この解散権を制限しようという意見もあります。

でもこの解散権は憲法7条で定められているので、制限しようとすると憲法改正について話し合わないといけなくなるんですよね。

憲法9条を守りたい野党は、解散権を制限したくても手が出せないわけね!?

はい、そういうことですね。

しかし野党の側にも総理を辞めさせる方法が用意されています。
その一つが『内閣不信任案』の提出ですね。

これを提出すると「いまの内閣はダメですよ!」って国会で多数決をとることができます。

国会で可決された場合には

1.内閣は10日以内に総辞職するか
2.衆議院を解散して自分を含めた衆議院議員全員で選挙をやり直すか

総理大臣は選ばないといけません。

そんなの

2.衆議院を解散して自分を含めた衆議院議員全員で選挙をやり直す

一択じゃん!
誰だってクビにはなりたくないよね。

そうですね。
これまで内閣不信任案は51回提出されて、うち4件が可決したんですが、4回とも総理は解散権を発動して解散総選挙が行われました。

馴れ合い解散(1948年)戦後間もない1948年、吉田茂内閣のときの解散です。少数単独政権(多数決で勝てないからとても弱い)の吉田内閣が政権を安定させるために解散総選挙をしました。

GHQが仲介して野党に不信任案を出させて解散したので、与野党協力の上での解散だということで『馴れ合い解散』と呼ばれています。
バカヤロー解散(1953年)同じく吉田茂が総理大臣のときに国会で質疑応答が白熱。
席に着きながら吉田首相が小さく「…バカ野郎」と言った
のをマイクが拾ってしまってさらにヒートアップ。

野党「もうこんな総理に任せられんわ!『不信任案』提出!!」
吉田「上等だよ! もう解散するわ!総選挙で決着な!!」

みたいな感じで解散しました。
ハプニング解散(1980年)自民党政権のとき、国会での売り言葉に買い言葉で野党が不信任案を提出。
しかし自民党の議席多数だったので不信任決議は通らないはずだったのですが、自民党内の権力争いで対立していた反主流派の69人の自民党議員が議会を欠席。その中で不信任決議投票が通ってしまって受理→解散総選挙へ…

与野党ともに全く予想していなかった解散だったので『ハプニング解散』と呼ばれています。
嘘つき解散(1993年)宮沢喜一内閣のときの解散です。
宮沢総理がジャーナリストの田原総一朗からテレビ番組中にインタビューを受けた際に「(今国会中に衆議院の選挙制度改革を)やります。やるんです」と公約したのに、自民党内の意見をまとめきれずに次の国会へ先送りしたことに野党が反発し不信任案提出→解散総選挙となりました。

公約を守らずに不信任案が出されて解散したことから『嘘つき解散』と呼ばれます。

51回も提出されて、たった4回しか解散総選挙になってないんだね

そうですね!

猿は木から落ちても猿だが、代議士は選挙に落ちれば​ただの人だ」

という言葉があるように、政治家もできることなら選挙をしたくないんですよね。

内閣の『解散総選挙』も野党の『不信任案提出』も
自分たちの政治生命を賭けた必殺技みたいなものですね。

必殺技かー、いつか使ってみたいなー

じゃあまずは立派な政治家になるためにお勉強をがんばりましょうね!